中高生にDevRelのエッセンスをインストールしたいワイの話(´Д` )

Shohei Oda
Dec 23, 2023

--

みなさんこんにちは。mablおだしょーこと小田祥平です!本投稿は DevRel Advent Calendar 2023 Day 23(12/23) 向けの記事となります。

Xmasが2日後に近付いてきましたね。5年ほど前から、この時期に中学や高校からご依頼いただき、特別授業をボランティアで行っています。中高生向けなので、技術的な話というより自身のキャリアや1人の大人から見た身の回りの社会や仕事観について生徒に伝えるというテーマで依頼をいただくことがほとんどです。

毎年この四半期、IT界隈ではカンファレンスなどの大型イベントの開催が多く、忙しい合間をぬっての授業とはなりますが、学生時代の恩返しや次世代の育成に少しでも貢献したいなという想いで教壇に立っています。
こう見えて教員免許(ただし保健体育)を持っているので、教育実習を思い出しながら、今の子供たちのニーズはわからないまでも、自分が中高生だった時に聞きたかった話を伝えられるように心がけています。

みなさんが普段使ってるスマホアプリっていうのはね??みたいな話をしているワイ

とはいうものの、DevRelやEvangelist、現在の私はAdvocateという役割を担っていますが、生徒たちにそれを正しく伝えるのはなかなかに難しい。授業が始まって比較的早い段階で挙手でアンケートを毎年取っていますが、営業や技術、広報などとは違って、まず1人も知っている生徒はいませんw もう少し言えば、公私もないような仕事観、もとい生き方をしている大人は、果たして生徒たちの参考になるのだろうか?と自問自答しながら毎年スライドを組み立てています。

それでも後日いただく授業の感想には、下記のようなポジティブなフィードバックばかりが書いてあり、来年も自分ができることをがんばろうと逆に勇気づけられるものです。

同業者の皆さまにも「授業でどんな話をしているか知りたい」だとか「ニッチな話が聞けそう」といったニーズを以前から頂戴していたので、フルサイズではないにしても、その一部をご紹介しようと思って書くのが今回の記事です(前置きが長いな??)

大前段として、そもそも社会人の話に興味すらない生徒が当たり前にいるので、授業開始と同時に強制的にこっちを向かせるアイスブレイクを発動させます。ウケなかったことがない(溢れる自信)。

「みなさん私のことは当然よくご存じですよね?」と冒頭でいきなり混沌を招くスタイルの授業

「ああ。ヤバい大人がきたな…」と希望と絶望が入り混じる教室で、ダメ押しとして筆者の輝かしい過去の戦歴を語り、生徒たちの注目を引き付けます。ついでに来年の差し入れを要求します ←
(意味が分からない方は、Xにてハッシュタグ #iPhone行列2022#iPhone行列2023 で調べてみよう!)

話を前のめりに聞く姿勢を作り終わったら、ようやくマジメに授業を進めていきます。

社会人から学ぶというテーマの特別授業なので、まずどんな会社で何の仕事をしているのかを説明する必要がありますが、中高生ではE2EテストやAPIテストはもとより、ウォーターフォール開発やアジャイル開発、ノーコードやローコード、そもそもソフトウェアを開発するにあたりテストが必要であることを認知していないわけです。

とはいえなかなかピンとはこないんですよね(´Д` )手汗 ぎっとはぶ…???

詳細まで語るといくら時間があっても足りないので、なるべく身近な例を出し話をデフォルメして、ネットサーフィン時にリンク先に飛んだら404の表示を見たことがあるとか、アクセシビリティに関わるレイアウトの乱れとか、現在もテスト都度画面キャプチャを取ってExcelに貼り付ける手動テストが当たり前 (テクノロジーとは…??) であるとかを通じて、テストの重要性やmablの価値を理解してもらいます。

昔使ってたスライド。この辺ぶっちゃけMicrosoftの方が説明は楽だったなァ…(´Д` )w
今年の挙手アンケートでは1/3くらいがChatGPTを知っていた模様。とにかく旬なネタを使って生徒の気を引き続けるのに必死(´Д` )汗

なんとなくどんな会社に勤めている人なのかのinputが完了したところで、自己紹介に進んでいきます。

おだしょーさんは、2年前に運動して嫌いな野菜を食べて16kg痩せました。その後、2年かけて9kg自分を取り戻しましたd(´Д` ) 元の体重は何kgだったか答えなさい (配点 20)

リングフィットアドベンチャーを使って、2か月で16kg減量ネタを放り込み爆笑をかっさらったところで、ようやく具体的な仕事内容に踏み込んでいきます。概要としてWikipediaの「テクノロジー・エバンジェリスト」からいくつか引用して紹介しますが、生徒たちは全くしっくりこない様子なので、普通に授業を聞いていれば、ほぼ全員が知っているであろうあの方を例に出して説明することで理解を促していきます。

今年結婚するまで実は本籍地が鹿児島県(種子島)だったワイ、ただならぬご縁を感じる(´Д` )←

そうです。フランシスコ・ザビエルさんです。彼が日本で何をしてきたかを生徒たちは概ね知っているので、それをITに置き換えます。今風に言えば「推し活 に近いもの。推し技術」と言えば、生徒たちは概ね理解してくれます。言わば、企業公式沼活アンバサダーですね。
更に誰に対して布教していくのかまで話をすると、なぜIT業界においてザビエルポジションが必要になるのか?までを伝えられます。

こちらも昔のスライド。やっぱりプロダクトは現場で実際に使用する皆さまに1番に価値を感じてほしいですよね(´Д` )♪

もう少しDeep Diveして、普段どのように仕事をしているか、具体的には、市場分析から実際の施策としてコミュニティなどの登壇/運営や配信イベントまで、DevRel 4C (Code、Content、Conductor、Communication)をなぞったテクノロジー&マーケティングアクティビティの話をしつつ、COVID-19以前から現在に至るまでの変遷をイメージしやすいよう写真を添えて話をしています 。

若年層の興味を引きそうな The first take ごっこなどを一生懸命散りばめるワイ(´Д` )←必死
mablにJoinしてからはオンライン/オフラインのハイブリッド化が進んだ感じd(´Д` )♪

これからの未来を拓く生徒たちが対象なので、そこに辿り着くまでの道筋や経緯についても説明していきます。が、小学生時代からの振り返りを惜しげもなく披露していて恥ずかしいので、ここは色々割愛します。←

学ランは入学式と卒業式だけ着用(えらい)。基本ジャージ生活だったので、ほぼ現在のスタイルから変更なし(´Д` )←年中スウェット
学則??なにそれおいしいの?状態から、どの面下げて教育実習しに戻ってきたのか?と言われても仕方がないのだが、こう見えて3年間学級委員で成績優秀者だったワイ(´Д` )←イキリコメント 取得免許教科当てクイズでは9割の生徒が誤答するからおもろい。

本記事ではあえて書かないのですが、ここでは筆者が幼い頃から行ってきた意思決定や就職/転職の動機や方法だけでなく、現在の日本や世界における市場の動向、更には副業や給与についても生々しく、なるべくコミカルに話をしています。

残り少ない人生の夏休みをなんとなく受け身で過ごしてほしくないので、あえてちょっとだけホラーストーリーを用意して生徒たちを震え上がらせたりもしています。能動的に自分の人生をmakeすることの重要性を説くために「少なくとも高校より先は『普通科』なんてありませんよ、18歳までに自分の人生決められますか?」と明確に問いを伝えています。

各々がこれから先の人生において専門性を身に着けて自発的なキャリアメイクが必要となる時代に、言われた通りに勉強だけしていれば救われる世の中はもう終わっている、けど自発的な活動を通じていくらでも好転できる、更にはYouTuberやTikTokerなど筆者が子供の頃にはなかった職業を例に挙げて「なければ自分で作れば良いよ」と激励を送って授業を終えます。

何にせよ「努力は『夢中』に勝てない」からこそ、DevRelを通じて得てきた自身の体験を基に、今のうちに夢中になれるものを見つけましょうね、というメッセージを長々と生徒たちに伝えているわけですが、中には既に夢中になれるものを見つけていて背中を押してもらえたという生徒や、授業をきっかけに好きなことを真剣に探します、と宣言する生徒もいます。

プレゼンテーションの目的は聞き手に行動の変容を促すことと理解をしています。ある生徒には自分の好きな気持ちを大切に、それを続ける覚悟を持つことの後押しをして、またある生徒には自分の琴線に触れることとは何か、真剣に取り組むきっかけ作りができているのかなと思います。

コミュニティの皆さんが普段から取り組んでいる次世代につなぐためのPay it forward (恩送り) と同じように、十数年先にこの生徒たちが今度は先生として、私と同じように教壇に立って話をしてくれる未来を夢見ています。

今後も噛まないようにだけは気を付けていきたい(´Д` )ww

--

--

No responses yet